今週のトピック

「それを、知らない」2019年 5月 26日

詩篇 103篇 15-17節

「人の日は、草のよう。野の花のように咲く。
風がそこを過ぎると、それは、もはやない。
その場所すら、それを、知らない。
しかし、主の恵みは、とこしえから、とこしえまで、
主を恐れる者の上にある。」

(引用元:聖書 新改訳 2003新日本聖書刊行会)

最近、情報誌やテレビなどを眺めていると、「初夏」という言葉が目につきます。初夏ならではのメニューを準備しているカフェや、早くも日射病に注意といった注意喚起がされているのです。私としてはもう夏なのかと正直、ピンと来ない日々を送っていたのですが、先週木曜日からはまさに「夏」の到来をまざまざと感じる気温が続いています。

そこで「初夏」を検索してみたところ、自分の感覚以前に常識がずれていたことを知りました。暦の上での「初夏」は、5月6日の「立夏」からはじまるものと昔から言われてきたのですね。しかし、同じように「立秋」が8月8日ごろから始まるというのですから、だいぶ今の季節感覚とはずれてはいるようです。

そのような事を思いめぐらしているとき、上記のみことばが心に浮かんできました。細かく読んでみると「風」が通り過ぎた場所すら、その事を知らないと記されています。これは、いかに季節の移り変わりが不思議なもので、人の人生も同様にはかなく、移ろいやすいものであることが歌われているのです。

私たちも移ろいやすい世の中にあって、「知らないこと」に直面し戸惑いを抱えながら歩むことが多くあると思います。だからこそ、みことばの通り「主の恵み」が信仰者の上に変わることなく注がられることを希望とし、神さまに従っていきたいです。

(文=加藤信行 副牧師)


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