今週のトピック

「子どもだって考えている」2019年 2月 24日

ローマ人への手紙 12章 3節(抜粋)

「だれでも、思うべき限度を越えて
思い上がってはいけません。
いや、むしろ、神がおのおのに
分け与えてくださった信仰の量りに応じて、
慎み深い考え方をしなさい。」

(引用元:聖書 新改訳 2003新日本聖書刊行会)

子育てサークル・ハンナの会のために、参考になればと牧師室の本棚に置かれていた、ある本を読んでいます。タイトルは「愛は裁かず」。伊藤重平さんが昭和57年に著されたもので、問題を抱えた子どもたち(幼稚園児-青年)のカウンセリングに関わった著者が、具体的な体験談、レポートを記しています。

読み進める中で思わされたのは、愛することの困難さはいつの時代も同じなのだなということです。30年以上前の事例ですから、今では考えられないような価値観、社会問題も垣間見えるのですが、結局は「人」と「人」との心の行き違いが根本的な問題として提示されていくのです。

その中で、私自身、大変気になった言葉があります。それは「子どものくせに」というフレーズです。非行に走ってしまった少女の、その心が壊れていくきっかけになった言葉だそうです。言われてみれば、確かに人格を無視するような、親のエゴを感じさせる言葉かもしれません。恥ずかしながら、私も幼い息子に対し、口には出さなくても心の中で何度もつぶやいている言葉であることを思い反省させられます。

本の中でも示唆されていたのですが、「子ども(相手)だって考えている」という前提に立って、自分の思いがすべてではない事を常に意識する者でありたいと考えさせられました。聖書にある通り、慎み深い考え方ができればと願います。

(文=加藤信行 副牧師)


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