今週のトピック

「60年後の後悔」2018年 8月 5日

箴言 1章 8節

「わが子よ。あなたは父の訓戒に聞き従え。
あなたの母の教えを捨ててはならない。」

(引用元:聖書 新改訳 2003新日本聖書刊行会)

腰痛がだんだん激しくなり、生活のすべてに影響があるようになってしまいました。買い物に行くのも、よく歩けないのと荷物が持てないので、つい避けるようになり家内にすまないと思っています。

父は私が幼い頃、リウマチになり3-4年起きたり寝たりの療養生活をし、ある程度回復してから農業を母と兄に任せ、村役場に事務員として働きに出るようになりました。その後すぐに勤勉さと正直な性格が評価され、収入役に抜擢され家族は経済的に守られるようになりました。しかし、長い間のリウマチで手足の関節が曲がり歩くのがとても大変でした。またその歩く姿を見て、小学生であった私は友だちの手前、恥ずかしい気持ち抱いていました。ある時、父は私に「とても良い物が手に入った」と言って「子どもの自転車」を見せました。これなら関節の曲がった父でも足が着くので、安全に乗りこなすことができます。

しかし私はその時、「子どもの自転車に乗る父の姿」を友だちはどう思うだろうと、素直にともに喜べませんでした。しかし、今自分がこのような体になって、初めて父の苦しみが少し分かって来ました。

父が亡くなってもう30年以上経ちます。障害者の理解が不十分だった時代、障害を持った体で懸命に働き6人の子どもを育てた父は、どんな思いで生きていたのだろうと考えると、60年経った今、深い後悔の思いを示されています。

(文=松本俊雄 牧師)


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