今週のトピック

「与えられた時間を用いる」2017年09月03日

第1サムエル記 2章 18-19節

「サムエルはまだ幼く、
亜麻布のエポデを身にまとい、
主の前に仕えていた。
サムエルの母(註:母の名はハンナ)は、
彼のために小さな上着を作り、
毎年、夫とともに、その年のいけにえを
ささげに上って行くとき、
その上着を持って行くのだった。」

息子の幼稚園も先週金曜日(9/1)から新学期がはじまりました。それまでの夏休みは結構長く感じられ、その期間、どのように彼と一緒に時間を過ごすかが私たち夫婦にとってなかなか工夫が必要な事でした。

夏休み中のある時、ネットニュースのコラムで「そこのお父さん・お母さん、十分頑張ってますよ」という見出しが目に留まり、記事を開き読む機会がありました。そこには心理学者のある先生が「退屈を味わうこともその子の成長につながる」と解説されていて、「毎日毎日が特別である必要はない」という内容に少しほっとした思いを持ちました。ただそれと同時に、「こんな努力ができます」という父母へのアドバイスも掲載されていて、できるだけ頑張ることが前提になっている記事なのだと感じ、やはり息子と長い時間過ごせるせっかくの機会を生かしたいと思わされました。そこで夏休みの間、足りないながらも「特別な時間」を取る努力を意識してきたつもりです。

さて聖書にはハンナというある母親が描かれています。彼女は神様に息子サムエルのすべてを捧げたが故に、幼い時から離れて暮らしていました。しかし、手作りの上着を手渡す短い滞在の機会を大切にし、彼の成長に大きな影響を与えていたことが聖書から読み取れます。彼は後にイスラエルの指導者となり、神に忠実な預言者となるのです。それらの事が詳しく記されている訳ではないのですが、自分と息子との関係も少し重ねつつ、サムエルとハンナの関係を改めて読む時、人間関係の構築は時間の長短ではなく、いかに「与えられた時間を大切にして機会を用いるか」なのだなと考えさせられます。それは家庭においてはもちろん、友人たち、そして教会においても、私自身まだまだ努力が必要な部分があると反省させられました。

(文=加藤信行 伝道師)


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