今週のトピック

「ゆずり合いの大切さ」2017年08月20日

ルカの福音書 6章 31節

「自分にしてもらいたいと望むとおり、
人にもそのようにしなさい。」

雨の日が続いているせいか、最近は道が混雑していることが多い気がします。先週、比較的早い時間帯に車で目的地に向かっていたところ、いつもはそれほど混んでいない道で渋滞が起きていました。計算外だなと考えていたところ、少し進んで、すぐに信号がないところで前のトラックが止まったので、これは時間がかかるなとため息をついてしまいました。ところが、トラックが停まったのは、向かって左側にあった事務所か何かから出てきていた車を自分の前に入れさせてあげるためだったようで、その車が合流するとすぐに車は動き出しました。

正直、そのことがわかった時に心に浮かんだ思いは、感心というより「私は急いでいるのに」という不平でした。そして、その後に前方の車列がスムーズに動き出し、一気に信号を通過でき、渋滞を抜け出すことができたのですが、改めて自分の心は小さいなと思わされたのです。

トラックの運転手さんは、もしかしたら経験からここでゆずっても、自分の損にはならないという事がわかっていたのかもしれません。またそれ以上に、いつも自分も誰かしらに「ゆずって」もらっているので、自分の番ではそうしようという思いを持っているのかもしれません。全体がスムーズに、そして安全に回っていくためには、誰かが相手にゆずる行為が必須になると思います。そしてその「誰か」に自分がなるという小さな決断は、進んではなかなかできないとも思います。しかし、それで自分が被る不利益など本当に小さいものだと知った時、私も次の交差点で対向車の車に先をゆずることができました。小さな事かもしれませんが、その積み重ねを車の事だけでなく、あらゆる場面でもできたらと考えさせられます。

(文=加藤信行 伝道師)


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