今週のトピック

「刃物を研ぎながら心を研ぐ」2016年06月05日

伝道者の書 10章 10節

「もし斧が鈍くなったとき、
その刃をとがないと、もっと力がいる。」

毎日の忙しい生活の中で、空回りしているなー、と感じてしまうことがあります。一つひとつの仕事はそれなりにこなしているのですが、心がなかなか相手に伝わっていない感じがして、終わってから何とも言えない重い気持ちになることがあります。

昔、工業高校に通っていた頃、鋳物の木型製作の実習でその日の最後に、次の時の準備のためにその日使った刃物を綺麗にして、研いでからしまう訓練を受けました。これがなかなか大変で、一日の疲れもありなるべく早く終わりにしたいので、簡単に済まそうとすると、直ぐに先生に見つかりやり直しをさせられました。そこで、心を入れ替えて真面目に研ぐようになりました。その時、冷静になって考えると、刃物を丁寧に研ぎながら、その日の作業を振り返り、反省する良い時間をでもありました。それは、刃物を研ぐとともに、自分の心を研いでいる時間であることに気付きました。そう思うと、空回りをしていると感じている時こそ、自分にとって大切にしなければならない時のような気がしてきました。研ぐということは、削ることでもありますから、痛みや犠牲がともないます。そう思うと、気力が挫けそうになることもありますが、

「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい。」(マタイの福音書 16章24節)

を目標に、前進したいです。

(文=松本俊雄 牧師)


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