今週のトピック

「イエスキリストこそ」2019年 5月 19日

ローマ人への手紙 12章 15節

「喜ぶ者といっしょに喜び、
泣く者といっしょに泣きなさい」

(引用元:聖書 新改訳 2003新日本聖書刊行会)

私たちはみことばを実行することの困難を思います。それはクリスチャンとして長く信仰生活を歩んだとしてもです。この喜ぶ者といっしょに喜ぶということもそうです。私は自分の中に喜びがあふれていればそのようにできるかもしれませんが、悲しみの中にあったり、満たされていない中では、それをすることができません。妬みや憎しみさえも心からあふれてきてしまいます。そして、悲しむ者といっしょに悲しむということも同じように困難を覚えます。

つい先日、義父が天に召されました。天にある慰めがあるとしても、漠然とした寂しさはそんな簡単には消えません。つい8年ほど前に家族となった私でさえそうなのですから、義母や妻の悲しみはいかほどかと思います。しかし、私はその本人たちの気持ちを完全に自分のものとすることはできません。私は人間であり、罪ある者であり、その悲しみを完全にいっしょに負うことができないのです。

だからこそ、私たちにはイエス・キリストが必要です。キリストこそ、すべての人のその思いを背負うことができる「神」であり、私の悲しみを、喜びを心から同情することができる唯一の「人」であるお方です。十字架に架かり、私たちへの愛を示されただけでなく、今も生きて、とりなしの祈りをし続けて下さっているお方です。

そのキリストに信仰によって心寄せ合う私たちの教会は、限界はありますが、少しでもその愛に近づく交わりを築いていきたいと願います。イエスキリストにあってこそです。
<2019トール作品展with Teaにおけるメッセージ要約より抜粋>

(文=加藤信行 副牧師)


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