今週のトピック

「春を待つ花々」2019年 2月 10日

雅歌 2章 11-12節

「ほら、冬は過ぎ去り、
大雨も通り過ぎて行った。
地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。」

(引用元:聖書 新改訳 2003新日本聖書刊行会)

先週、トールサークルでの交わりの中で、趣味で園芸をされているご婦人から「今年の冬は比較的暖かいので、植物が元気ですね。」とお聞きし、そうかもしれないと思いました。確かにストックなどが、例年より上に伸びて華やかに咲いています。

冬の花(寒さに強い植物)と言っても、彼らにとって冬の寒さが適正気温というわけではありません。インターネットで色々と調べてみましたが、彼らにとって冬の間は冷蔵保管をされているような状況であるという園芸サイトのコメントがあり、ドキッとさせられました。低温は現状を保つだけということなのです。そして暖かいと、より元気になり、活発に成長し、花をいくつも咲かせられるようになります。そう考えると寒さに耐え、今できるだけの事をこなし(?)、希望の春を待ち望んでいる彼らの姿が、愛おしく思えてきました。

上記の雅歌のみことばなのですが、「愛する人」との結婚式の喜びを高らかに歌う雅歌の中の1節です。“彼ら”にとって、式が行われる春は待ち望んだ季節だったに違いありませんし、花々が咲き乱れる様子は、彼らの思いが投影された情景だったでしょう。そして、伝統的解釈によるなら歌い手はイエスキリストを、「愛する人(花嫁)」は教会、すなわち私たち信者を暗喩していると言われます。私たちは、今を精一杯生きることだけに希望があるのではなく、その先にある「春」に、愛する主に迎えられる永遠の祝福を待ち望んでいることを忘れないようにしたいと思います。

(文=加藤信行 副牧師)


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